はるひ乃メソッド

とある不動産屋が思いつくことを気ままに書いてみた

瑕疵って書ける?瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)をざっくりまとめてみた

 

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不動産の売買を考えていらっしゃる方なら、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)という単語をどこかで目にしたり耳にしたことがあるのではないかと思います。

 

普段の生活では聞き慣れない言葉ですが、不動産売買の取引においては重要なキーワードです。

「瑕疵担保責任」とは簡単に言えば、不動産売買契約が成立し物件を引渡した後に起きた瑕疵(不具合)について、売主が責任を負うというものです。

 

瑕疵担保責任とは?

 

では、不動産売買における瑕疵とはどんなものなのか?順を追って説明いたします。

 

 

 

瑕疵とは?

 

まず「瑕疵」とは、「疵(キズ)や不具合、欠陥」という意味で、本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないことを言います。

 

不動産売買における瑕疵の種類は幾つかあり、物件自体に関する「物理的瑕疵」の他に、事件・事故や自殺等の「心理的瑕疵」や法令等(再建築不可等)の制限により物件の使用収益が阻害される「法律的瑕疵」、騒音・振動・臭気、嫌悪施設(特定の施設を指して嫌悪施設って呼ぶのはよろしくないので、詳しくはご想像ください)によって安全かつ快適な生活が害される「環境的瑕疵」などがあります。

 

心理的瑕疵や環境的瑕疵は非常に主観的であり、具体的にどこからどこまでが瑕疵なのか曖昧かつ不明瞭ですが、こうやって見ると「瑕疵」とは、知っていれば購入しなかったかもしれない判断基準になるべく事柄とも言えますね。

 

 

隠れたる瑕疵とは?


不動産売買において、買主が取引上において一般的に要求される程度の通常の注意を払っても知り得ない瑕疵を「隠れたる瑕疵」と言います。


つまり言い換えれば「目に見えない箇所の不具合・欠陥」ですね。

 

で、この「隠れたる瑕疵」が「瑕疵担保責任」の対象になる不具合・欠陥のことを指します。

 

では、「隠れたる瑕疵」にはどういったものがあるか?

 

例えば建物については

 

・雨漏り

・建物の主要木部の腐食

・シロアリの被害

・給排水管の故障

 

などがあります。

 

上記の項目については専門家に調べてもらわないことには判断出来ません。また、過去の事件や事故、周辺環境についても売主から告知を受けないことには状況を知り得ることは出来ません。

 

例えば、建物の屋根にポッカリ大きな穴が空いてて天井からボタボタ雨漏りしてたら気づきますよね?

 

そういった場合は「隠れたる瑕疵」にはあたりません。

 

 

瑕疵担保責任とは?

 

「瑕疵担保責任」とは、前述した「隠れたる瑕疵」について売主が責任を持たなければならないということです。

 

あらかじめ売主から告知されており、瑕疵の存在を知った上で購入する場合は「隠れたる瑕疵」には該当しません。

※建物の不具合などを売主から告知され、それを承知の上で購入した場合、引渡し後にその不具合を理由に売主に修復や損害賠償の請求は出来ないということになります。

 

売主の瑕疵担保責任については民法第570条にて法的に定められていますが、通常は不動産売買契約書上での取り決めが優先されます。

例えば、瑕疵担保責任を負う期間や範囲などの取り決めです。また、売主が一般個人の方であれば瑕疵担保責任自体を免責とするケースも多々あります。


ちなみに売主が宅建業者の場合、瑕疵担保責任の免責や責任の範囲を特定する行為は法的に認められていません。瑕疵担保責任の期間についても最低2年間以上必要です。これらは消費者保護のためです。※2019年5月現在。


また、不動産売買契約締結時には、契約書とは別に「付帯設備表」「物件状況告知書」を必ず売主から買主へ交付します。


内容は売主が記述するのですが、物件に何らかの「瑕疵」がある場合は必ずここに明記します。

 

ですから、「隠れたる瑕疵」とは、買主が気づかない不具合であると同時に売主も知らない瑕疵であるとも言えます。

※売主に悪意があり、わざと不具合等を告げない場合は契約で定めた期間を無効とされ責任を追求されたり、告知義務違反になります。

 

実際に何年も住んでる建物の不具合や欠陥に、売主が気づかないことなんてあるの?

と思われる方もいらっしゃると思いますが、一般の方だと屋根裏や床下に入ることなんて滅多に無いから、不具合があっても気づかないことが多いですね。

 

ですから昨今では、不動産売買において対象物件のインスペクション(建物診断)を行うケースが増えてきました。


※インスペクションとは・・・資格を持った建築士が住宅の劣化状況、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査すること。
※インスペクション実施の増加は、2018年から不動産業者によるインスペクションの説明と紹介・斡旋の可否の告知が義務化された影響もあるかもしれません。

 

建物については、このインスペクションを行うことである程度把握は出来ます。

 

怖いのは土地の売買です。地中のことは誰にも分かりませんから…('A`)

 

 

 

地中埋設物に気をつけろっ!


土地の隠れた瑕疵について、土壌汚染などについては、過去の土地の利用履歴を調査することである程度は判断できます。

また、地盤補強が必要な場合が多々ありますが、買主にて負担する旨の特約を契約書に明記することが一般的です。状況によっては引渡し前に地盤調査を行うことも可能です。

 

怖いのは埋設物です。

 

上下水管が配備される以前の物件だと、古井戸や浄化槽・便槽が地中に埋まったままのケースがあります。その程度であれば予想の範疇なので、撤去の際は費用が掛かる旨を事前に買主に伝えることが出来ます。

 

怖いのは、鋼管杭や瓦・コンクリートのガラなどの建築廃材や自然岩などです。


また、ミニ分譲地の物件で隣接地の排水管が売買対象物件の敷地内に通ってるケースなどがあります。もちろん私は経験ありませんが、過去に死体が出てきたってニュースもありましたよね…(+_+)


今まで土地の売買を行ってきて様々なハプニングがありましたけど、本当にラッキーなことに地中埋設物による瑕疵に限って言えば、1回しか経験がありません。

 

そのときの契約は地中埋設物については、売主さんの瑕疵担保責任において対処するものでしたが、引渡しが終わり、いざ買主さんが建築を進めると地中から大量の自然岩が出てきちゃったんです…(´・ω・`)

 

買主さんが一般個人の方ではなく、全国的に有名なハウスビルダーさんだったのですが、売主さんに負担していただく費用については、交渉でかなり安くしていただきました。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは

地中から大量の自然岩が・・・

 

ちなみに、このように現地の画像が記録として残っていますが、瑕疵と思われる状況が発生した際、緊急を要する場合を除き買主さんが勝手に修復処理し、その後売主さんに費用を請求することは許されておらず、必ず売主さんが立ち会う機会を与えなければなりません。

 

 

まとめ

 


瑕疵とは

 

瑕疵とは、その物の品質や性能に不具合・欠陥の有ることを指します。

不動産売買における瑕疵の種類には、「物理的瑕疵」「法律的瑕疵」「心理的瑕疵」「環境的瑕疵」の4つがあるが、心理的瑕疵や環境的瑕疵は主観的で、どこからどこまでが瑕疵なのか曖昧である。

 

 

隠れたる瑕疵とは

 

買主が取引上において一般的に要求される程度の通常の注意を払っても知り得ない瑕疵のこと。この「隠れたる瑕疵」が「瑕疵担保責任」の対象になる不具合・欠陥である。

 

 

瑕疵担保責任とは

 

「隠れたる瑕疵」については、売主が責任を持たなければならない。

責任の範疇や期間については、基本的には契約書の内容に基づく。

なお、売主が宅建業者の場合は、期間は2年以上、責任内容を特定出来ない。

 

 

 

おまけ…けっこう大事なこと


瑕疵担保責任についてあれこれ書きましたが、実は120年ぶりの民法改正により、
2020年4月から「瑕疵担保責任」という概念自体が無くなります。

 

瑕疵担保責任に取って代わり「契約不適合担保責任」という新たな責任が売主に課されます。


根本的に意味合いは同じになると思われますが、概念が少し変わってきます。

 

瑕疵担保責任の対象が隠れたる瑕疵であることに対し、「契約不適合担保責任」「売買対象の物件が契約書に記載されている内容に合致しているかどうか」が問われます。


新しい民法では、買主が瑕疵を発見できたかどうかは関係なく、つまり隠れた瑕疵かどうかは関係なくなります。

 

この改正が不動産売買における契約にどのように影響してくるかは、私では判断が難しいですが、要は、売買対象の物件の状況を売買契約書にしっかりと明記すること、「付帯設備表」と「物件状況告知書」への記載の徹底、この2点は最低でも必要になると予想できます。


つまり、新民法では契約書の重要性がさらに高まるということで、仲介する不動産会社が今まで以上にしっかりと売主買主をリードして、抜けのない契約書を作成する必要性があると感じています。

 

 

 

今回はここまで。今日という日があなたにとって良い1日でありますように。

 

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